法定相続人の範囲と、その順位について教えてください。

法定相続人の範囲等については、民法という法律で定められています。

下の法定相続人と順位の表をご覧ください。

被相続人(亡くなった人)の配偶者は、常に相続人になります。
次に、配偶者以外で相続人になるのは、第1順位に子、第2順位に直系尊属(父母)、第3順位に兄弟姉妹となっており、上位の順位の人がいる場合は、下位の人に相続権はありません。

また、代襲相続として、孫や甥姪が相続人になる場合があります。
例えば、被相続人より先に第1順位の子が亡くなっており、その子に子(被相続人からみて孫)がいる場合は、孫が代襲相続人となります。

次に、甥姪が代襲相続人になる場合としては、第1順位の子や代襲相続人となる孫がいなくて、第2順位の父母もいない場合に、第3順位の兄弟姉妹が相続人になるところ、被相続人より先に兄弟姉妹が亡くなっており、その兄弟姉妹に子(被相続人からみて甥姪)がいる場合は、甥姪が代襲相続人になります。

法定相続分と遺留分(相続人に最低限保証された遺産取得分)の割合を教えてください。

下の図をご覧ください。

法定相続人となる人の組み合わせと、その法定相続分及び遺留分の割合を示しています。

相続人となる子や兄弟姉妹が複数いる場合は、割合を人数分で等分することになります。また、父母が2人とも健在ならば、割合を2等分することになります。ただし、兄弟姉妹には遺留分はありません。

被相続人の遺言書もなく、相続人もいない場合は、遺産はどうなりますか。

遺言書もなく、相続人もいない場合には、家庭裁判所により相続財産清算人が選任されます。選任する旨が2か月間公告された後、相続財産清算人が相続人や相続債権者などを公告により探索します。2か月から6か月、この公告をしてもなお相続人が現れなければ、「相続人の不存在」が確定し、相続財産(遺産)は国庫に帰属することになります。

なお、相続人探索の公告期間に相続人としての権利を主張する人が現れない場合、被相続人の特別縁故者(内縁の妻など)が相続財産の分与を家庭裁判所に申し立てることができます。相続財産の分与が認められれば、特別縁故者は、相続財産清算人が行った管理・処分などの清算後に残った相続財産の全部または一部を取得することができることになります。

まとめ

法定相続人は、場合によっては非常に複雑になるケースもあり、相続人調査に手間がかかったり、遺産分割協議を行う場合にもうまく進まなくなることもあります。

相続は、法律の知識がないと判断が難しいシーンや手続に時間が取られてしまうこともありますので、お困り事があれば早めに専門家にご相談されると良いと思います。