財産を遺贈寄付(いぞうきふ)したいのですが、どうしたらいいでしょうか。

近時、ご相談者様から、人生最期の社会貢献として遺贈寄付を考えているが、どうしたらいいかという質問を受けることも少なくないです。また、相続人が誰もいない方が、亡くなった後に遺産を社会のために使ってもらいたいと言われることもあります。

遺贈寄付とは、亡くなった後、自治体やNPO法人、学校法人などの公益団体へ、自分の意志で財産を贈ることです。

遺贈寄付には、以下のような方法が考えられます。

①遺言による寄付
遺言書に「私の預貯金を〇〇団体に遺贈する」などと記載して、財産の全部または一部を公益団体等に寄付する。

②死因贈与契約による寄付
公益団体等との間で死亡後に実行される内容の贈与契約を、生前に締結する。

③生命保険による寄付
生命保険に加入し、死亡保険金の受取人に公益団体等などを指定する。

上記のうち、最も代表的な方法は、①といえるでしょう。

遺贈寄付する方法として、遺言書に記載することを選択した場合、注意すべき点を教えてください。

①残された家族・相続人の「遺留分(法定相続人に最低限保証される遺産取得分のこと)」を侵害しない財産配分ということを最低限配慮したいところです。円満で不満のない相続には、残された家族や相続人との生前の関係や心情などにも十分配慮することが重要になると思います。

②寄付を受ける団体も、あらゆる財産を受けられる訳ではなく、例えば、不動産は受けられない場合など、いろいろな決まり事があります。寄付をしようと考えている団体に確認するか、専門家を通じて事前に確認することが重要です。

③遺贈寄付を確実に実行するために、遺言書で遺言執行者を決めておくことをお勧めします。遺贈寄付に不満を持つ相続人がいても、遺言執行者は強い権限を持ち、遺言の内容を実現させることができるからです。

遺贈寄付先はどのように選べばいいでしょうか。

特に決めた寄付先がないのであれば、自分が興味や思いのある分野などを踏まえ、その問題に取り組む団体のホームページなどを参考に、寄付する団体を選んでもいいと思います。また、興味のある団体の相続セミナーや相談会に参加して、情報を得ることも一つの方法を思います。

ちなみに、遺贈寄付を受け入れる団体として知名度と実績のある団体は以下のとおりですので、参考にしてください。

・日本財団(公益財団法人)
・日本赤十字社(認可法人)
・国境なき医師団日本(認定NPO法人)
・世界自然保護基金ジャパン(公益財団法人)
・日本盲導犬協会(公益財団法人)
・セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(公益社団法人)
・あしなが育英会(一般財団法人)
・グリーンピース・ジャパン(一般社団法人)

まとめ

遺贈寄付をする方法として、遺言書を選択した場合は、上記のとおり注意すべきことがいろいろありますので、専門家にご相談されることをお勧めします。

遺贈寄付先の選定の考え方及び相談窓口について、詳しく説明等しているホームぺージがあります。以下にホームぺージのURLを貼り付けましたので、タップして参考にしてください。

ホームぺージのURL➡遺贈先の選定 « いぞう寄付の窓口(全国レガシーギフト協会)

ホームぺージのURL➡加盟団体一覧 « いぞう寄付の窓口(全国レガシーギフト協会)

ホームぺージのURL➡あいちコミュニティ財団